広告代理店を辞め俳優へ転身した蔵之介の思い:決断とこれからを語る

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広告代理店を辞めるに至った背景と蔵之介の決断プロセス

日常の積み重ねが生んだ違和感

広告代理店での生活は、一見すると華やかでやりがいがあるように見えた。だが蔵之介は次第に自分の中に芽生える違和感を無視できなくなったと語る。クライアントの要望に応えるために深夜まで企画書を練り、週末もプレゼン準備に追われる日々。アイデアが通るかどうかは数字と上層部の判断に左右され、自分が「表現したいこと」との乖離が広がっていったという。仲間との飲み会や成功の祝杯はあっても、心の底から湧き上がる充実感や創作の喜びは得られなくなっていた。小さな瞬間――たとえば街角でもらったチラシに目を留める自分や、ふと立ち寄った演劇の舞台に釘付けになる自分――が、違和感を確信に変えていった。

舞台との出会いと現実的な準備

転機は友人に誘われて観に行った舞台だった。俳優たちの生身の表現、瞬間瞬間の決断に魅了され、「自分も舞台で生きてみたい」という気持ちが一気に高まったという。とはいえ、突発的に飛び出すのではなく、蔵之介は極めて現実的に準備を進めた。並行して夜間の演技クラスに通い基礎を磨き、オーディションやワークショップに参加して経験を積んだ。経済面では生活費の6ヶ月分を目安に貯金を作り、万が一に備えた簡単な家計見直しも行った。また、業界に知り合いがほとんどいないことを認め、演劇学校や小劇団のコミュニティに顔を出して人脈づくりを始めた。家族や親しい同僚にも率直に話をし、感情面・実務面の支えを得る努力を怠らなかった。

辞表を差し出すまでの葛藤と決断の瞬間

実際に辞めることを決めたのは、準備が一定のラインに達したと自分で判断したときだった。上司にはまず非公式に相談し、進行中の大きなプロジェクトをきちんと引き継いでから退く条件を整えた。周囲の反応は様々で、「もったいない」「安定を捨てるのか」と心配する声もあったが、一方で「応援する」と背中を押してくれる人もいたという。辞表を出した日、蔵之介は冷静さと不安が入り混じった複雑な気持ちを抱えていたが、演技に向き合う自分の姿を具体的に描けたことで迷いは薄れていった。最終的な決断は、リスクを最小限にするための実務的な準備(貯金、スケジュール調整、ネットワーク構築)が整ったことと、「後悔したくない」という内なる声の強さが合わさった結果だったと振り返る。辞めた後はすぐにフリーの俳優としての活動を開始し、経験を積みながら次のステップへと進んでいる。

俳優としての挑戦・役作り・表現に込めるこだわり

役に入るまでのプロセス

僕がまずやるのは脚本を何度も読み込むことです。セリフだけでなく、その人物が何を恐れ、何を欲しているのか、過去の出来事や生活リズムまで想像して「生きている人」にする作業を重ねます。広告業界で培った要約力は、役の核を見つけるときに意外と役立ちます。短いカットの中で伝えるべき感情や情報を逆算して整理するクセは、映像表現でも活きています。

外面的な準備も欠かせません。声のトーンや歩き方、身だしなみの細部まで実験し、必要なら専門家の指導を受けて訛りや立ち振る舞いを直します。役ごとに身体の使い方を変えることで、その人物が自然に立ち現れるように心がけています。

現場で大切にしていること

撮影現場では「まずは聞く」ことを大切にしています。監督や撮影監督、衣装・照明の意図を理解することで、自分の演技が作品全体の中でどう機能するか見えてくるからです。過去の職場で鍛えられたチームワーク意識が、短いリハーサル時間や変更の多い現場での柔軟性に繋がっています。

また、表現の細部にこだわる一方で、過度な説明的演技にならないように気をつけます。視線の送り方、呼吸の間合い、微かな身体の緊張といった小さな要素が観客の感情を動かすと信じているので、そこを大切に演じています。ときには意図的に抑えることで、画面に余白を作ることも意識します。

表現の幅を広げるための挑戦

自分の殻を破るために、意図的に普段と違う役柄やジャンルへ飛び込むようにしています。コメディからシリアス、時代劇やアクションまで、得意・不得意に囚われずに挑戦することで、新しい表現が見えてくることが多いです。失敗も多いですが、それを糧に次へつなげる姿勢が重要だと考えています。

日々の鍛錬は欠かしません。発声や身体訓練、即興ワークショップ、映像作品の分析など、多面的に学び続けることで表現のストックを増やしています。俳優としての「らしさ」を保ちつつも、常に更新し続ける――その繰り返しが自分のこだわりであり、表現の幅を広げる原動力になっています。

今後の目標とファン・業界へのメッセージ

挑戦したい役柄と表現の幅

僕がこれから挑戦したいのは、ひとつのイメージにとどまらない多層的な役柄です。広告時代に培った「物語を伝える力」を土台に、現場で役を作るための技術をもっと磨きたいと思っています。時代劇やサスペンス、コメディ、さらには怪演と呼ばれるような難しい役まで、感情の振幅が大きいキャラクターに惹かれます。舞台での生の表現、映画での細やかなカメラワークに耐える演技、そして短編や配信ドラマでの即興力──それぞれに適した技術を積み重ねて表現の幅を広げていくつもりです。

ファンへの感謝とこれからの約束

ここまで支えてくれた方々には、言葉では言い尽くせないほど感謝しています。これからは俳優として作品でお返しするのはもちろん、舞台挨拶やSNS、ファンイベントを通して直接お礼を伝える機会を大切にしたいです。応援してくれる皆さんには「変わらず成長を見せる」ことを約束します。作品を選ぶ基準は常に「自分が本気で挑めるかどうか」。その真剣さが届くよう、丁寧に役と向き合い続けますので、どうか温かく見守り、時には厳しい目で背中を押していただければ嬉しいです。

業界関係者へのお願いと共に歩む意志

業界の皆さまには、未熟な点も多い私ではありますが、経験の背景として広告という別分野で培った企画力やマーケティング視点を活かして、作品に貢献したいと考えています。小さな役でも、端役でも必ず全力で取り組みますし、現場で学び続ける姿勢は変わりません。共同制作や自主企画にも積極的に関わりたいので、共に新しい表現や伝え方を模索できる機会を頂ければ幸いです。どうか一度会って話を聞いていただく機会をいただければと思います。

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