出場の背景と小雪が語る参加の理由
出場に至った経緯 — きっかけは学校からの声掛け
小学校のPTAが毎年開催している卓球大会は、保護者同士の親睦と地域交流を目的に行われています。今年は選手の欠員が出たこともあり、学年委員を務める保護者や役員さんたちから「代わりに出てくれないか」と声がかかりました。小雪は元々地域行事に積極的に参加していたこと、そして「子どもたちの学校行事を盛り上げたい」という気持ちから最初の打診を受けたときに前向きに検討したといいます。
「急なお誘いで驚きましたが、声を掛けてもらったからにはできる範囲で力になりたいと思いました」と小雪は振り返ります。準備期間は短かったものの、役員や他の保護者と日程を調整し、練習やルールの確認を進めることで出場の見通しが立ちました。
本人が語る参加の理由 — 子どもへの姿勢と自分のために
小雪が口にした第一の理由は「子どもたちに背中を見せたい」という点でした。試合に向けて練習する姿や、勝っても負けても一生懸命取り組む姿勢が子どもたちにとって良い刺激になると考えたためです。「子どもに『お母さん、がんばって』と言われた時に、やらないで後悔するより挑戦したいと思いました」と語っています。
また、忙しい日常の中で運動不足を感じていたことも理由の一つだといいます。「家事や仕事の合間に体を動かすいい機会になる」との考えから、健康面でのメリットも期待しての参加でした。さらに、地域とのつながりを深めたいという思いもあり、「PTAの一員として地域行事に積極的に参加することは、結果的に子どもの学校生活を支えることにもつながる」と小雪は話しています。
プレッシャーと楽しみ — 家庭との両立をどう考えているか
出場を決めたことで多少のプレッシャーもあったと小雪は正直に語ります。練習時間の確保や当日のスケジュール調整、家庭での役割との両立は簡単ではありません。「夫や家族にも協力をお願いしました。家でのサポートがあったからこそ安心して練習に取り組めました」と、その裏側を明かしました。
一方で、試合を楽しみにする気持ちも強く、保護者同士の和やかな雰囲気や久しぶりの運動を純粋に楽しみたいという声も聞かれます。「緊張もしますが、久しぶりに体を動かすのが楽しみです。結果以上に、子どもと一緒に応援し合える時間が持てることが嬉しい」と笑顔で話しました。
大会での様子と印象的なエピソード
開会から試合の流れ
朝から体育館には活気があり、受付の名簿を確認する母・小雪の表情は緊張と期待が入り混じっていました。開会式では役員代表の挨拶があり、ルールの説明が終わるとすぐに試合開始。トーナメントは予選リーグ形式で、短いインターバルごとに次の対戦が始まるため、緊張感が途切れることなく進みました。小雪はいつもの練習で磨いたフォアハンドとブロックを中心に、慎重にポイントを重ねていきました。
試合中はボールの弾む音やラケットのカチッという音が会場に響き、応援の声が折り重なるようにして場を温めていました。意外なことに、普段は控えめな小雪が試合では集中力を発揮し、序盤で劣勢だった場面から巧みな返球で流れを引き戻す場面も見られました。ベテランらしいラリー運びや柔軟な体の使い方が印象的で、対戦相手や観客からも拍手が送られました。
家族の応援と会場の雰囲気
家族全員が駆けつけ、子どもたちの「がんばれー!」という声や夫のカメラのシャッター音が、母にとって大きな励みになっていました。休憩時間には子どもが差し入れを渡したり、夫が細かくスコアを付けて励ます様子が微笑ましく、まるで小さな応援団を連れて行ったような雰囲気でした。周囲の保護者たちも和やかで、試合の合間に互いのプレーについて情報交換したり、励まし合ったりしていました。
会場内には地域の交流を感じさせる温かさがあり、年齢や経験を超えて笑い合う場面が何度もありました。子どもたちがネット際でボールを拾ってくれたり、試合後に「ナイスプレー」と声を掛け合うなど、勝敗以上に参加者同士のつながりが深まる大会でした。休憩所の一角では参加者同士がラケットの握り方やサーブのコツを教え合う姿も見られ、和気あいあいとした雰囲気が印象的でした。
忘れられない一瞬
最も印象に残ったのは、決勝リーグのある試合で小雪が逆転勝利を決めた瞬間でした。相手が強気に攻めてきたラリーの終盤、駆け引きの末に小雪が放った短いサーブ返しが相手のミスを誘い、勝敗が決したとき、会場から一斉に拍手と歓声が上がりました。勝利の瞬間、小雪はほっとしたように深呼吸し、隣で見守っていた家族と抱き合って喜んでいる姿がとても印象的でした。
また、試合後のエピソードとして、対戦相手の子どもが宝物のバンダナをプレゼントしてくれたことがありました。小さな思いやりの行為に、会場全体が温かな空気に包まれ、スポーツを通じた交流の尊さを改めて感じさせる場面でした。些細なハプニングや笑い話も多く、終始和やかなムードで大会は進み、参加した全員の心に残る一日になりました。
参加で得た学びと家庭・地域への影響
プレーを通して得た個人的な気づき
大会に出場して改めて感じたのは、短い練習時間でも着実に上達するという実感でした。ラリーを続けるための集中力や試合中の切り替えの速さは、日常の家事や仕事の合間にトレーニングを重ねたことで養われました。また、勝敗よりも「楽しむこと」を優先する姿勢が生まれ、プレッシャーへの耐性やポジティブな自己評価が高まったのも大きな収穫です。初対面の保護者とペアを組んだ経験からは、短時間で信頼関係を築くコミュニケーション力も鍛えられました。
家庭内での具体的な変化
家族は小雪の参加をきっかけに応援や協力の仕方を見直すようになりました。試合や練習の時間を確保するために夫が子どもの送り迎えを担当したり、夕食の準備を分担するなど役割分担が自然に進みました。子どもたちも「お母さんが頑張っている姿」を見て、家事を手伝ったり宿題を早く済ませるようになり、家庭内の雰囲気が明るくなったと感じます。勝ち負けを超えた達成感を共有することで、親子の会話のトピックが増え、学校行事や地域活動への関心も高まりました。
地域とのつながりと波及効果
大会参加は近隣との交流のきっかけにもなりました。試合会場で知り合った保護者同士が練習会を始め、子どもを交えたミニ大会や交流会が定期的に開かれるようになっています。高齢者や異世代の住民も応援に来てくれ、地域の一体感が強まったとの声が多く聞かれました。さらに、PTA活動への参加ハードルが下がり、新しいボランティアや役員への参加希望者が増えるなど、スポーツを通したコミュニティづくりの波及効果が生じています。


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